こんにちは、だいちゃそ(@daichiblog▶️プロフィールはこちら)です。
最近投資家の間で「楽天SCHD」が話題になっています。
米国株の配当ETFは、長期投資家にとって魅力的な選択肢の一つですが、その中でも「Schwab U.S. Dividend Equity ETF(SCHD)」という米国配当株式ETFへ投資可能な投資信託が楽天証券で取り扱いが始まりました。
今回は、「SCHD」と「VYM」を比較し、増配率やリターンの違いを含めて検討していきます。
楽天SCHDとは?
楽天SCHDは、楽天証券が提供する「Schwab U.S. Dividend Equity ETF(SCHD)」に連動した投資信託です。SCHDは、米国の配当株に投資するETFで、高配当かつ安定した配当成長が期待できる企業に焦点を当てています。
- 配当収益重視:安定した配当を支払う企業を選定し、特に10年以上連続して配当を増やしている企業が多く含まれる
- 低コスト:SCHDの経費率は0.06%と非常に低い(楽天SCHD〔投資信託〕のコストは年0.192%)
- 銘柄構成:約100銘柄に分散投資
- 高い増配率:過去の配当成長率が非常に高く、インカムゲインを重視した投資家にとって魅力的
- 分配利回り:約3.5%
〔構成上位10銘柄〕引用:楽天証券
VYMの特徴
一方で、Vanguard High Dividend Yield ETF(VYM)は、米国の高配当株に焦点を当てたETFです。SCHDに比べ、より多くの銘柄に分散投資を行うことで、リスクを抑えつつ安定したリターンを狙っています。
- 高配当株重視:配当利回りが市場平均を上回る企業を中心に投資
- 広範な銘柄数:約400銘柄に投資し、より幅広いセクターに分散
- 経費率の低さ:VYMの経費率は0.06%で、SCHDと同様に非常に低いコストで運用
- 分配利回り:約3.0%
楽天SCHDとVYMの増配率を比較
過去数年の増配率を見ると、VYMも堅実な増配を続けていますが、SCHDは特に目覚ましい成長を遂げています。
SCHDの増配率
SCHDは、配当成長を重視したETFであり、過去の増配率は非常に高い水準を維持しています。直近5年間の増配率は約12%前後です。この高い増配率の理由は、財務が健全で配当成長に注力している企業を選定しているためです。SCHDに組み入れられている企業は、長期的に安定した利益成長を続ける力を持つため、配当の引き上げ余地が大きいと言えます。
例えば、組み入れ銘柄であるPepsiCoやTexas Instrumentsなどは、過去10年以上にわたって配当を増やしており、その安定した成長がSCHDの増配率を支えています。これにより、短期的な配当利回りだけでなく、将来的に配当が増えることで得られるトータルリターンの期待が高まるのが特徴です。
高い分配利回りに加え、この増配率の高さがSCHDが人気ETFである理由となっています。
VYMの増配率
一方、VYMの増配率は、約7%前後とSCHDと比較すると少し低めです。これは、VYMが配当利回りが高い企業に広範囲に投資しているため、企業の成長性や配当増加の余地がSCHDに比べてやや限定的であることが要因です。
たとえば、Johnson & JohnsonやExxonMobilなど、歴史的に安定した高配当企業が含まれており、これらの企業は安定配当を支払っているものの、増配ペースは緩やかです。特にエネルギーセクターは配当利回りが高い反面、業績の変動が激しいため、増配率はそれほど高くならない傾向があります。
SCHDとVYMの増配率の違いがもたらす影響
長期的に見ると、増配率が高いほど、投資家の配当収入は将来にわたって大きく成長します。仮に配当金を再投資する場合、増配率が高いSCHDは複利効果をより強く享受できるため、資産の増加スピードが速くなります。VYMの増配率7%でも着実に配当は増加しますが、増配率が12%のSCHDでは、10年間で配当金が約3倍になる可能性があります。
※連続増配株シミュレーター(大和アセットマネジメント)で、投資元本100万円、増配率12%、配当利回り3.5%で計算
投資家のタイプ別の適性
SCHDが適している投資家
- 配当成長を重視したい: SCHDは配当利回りだけでなく、長期的な配当成長も期待できます。配当再投資を行いながら資産を増やしたい長期投資家に向いています。
- リスクを抑えたい: 財務健全な企業に集中投資しているため、リスクを抑えつつ配当を得たい投資家に最適です。
VYMが適している投資家
- 安定した配当収入を求める: VYMは広範囲な高配当株に投資しており、分散効果が高いため、安定した配当収入を重視する投資家に向いています。
- 分散投資を重視する: 幅広いセクターに投資しているため、特定の業種に偏らない分散投資を行いたい場合、VYMは有力な選択肢となります。
どちらを選ぶべきか?
最終的に、どちらのETFが優れているかは、投資家の目標やリスク許容度によります。
- 配当成長と財務健全性を重視するなら、SCHDは良い選択です。特に、配当再投資をすることで、長期的に資産を増やしたい投資家には最適なETFです。また、選別された少数精鋭の企業に投資しているため、市場の下落時でも比較的安定したパフォーマンスが期待できる点も魅力です。
- 安定した配当収入と幅広い分散を求めるなら、VYMが適しています。特に、広範囲な高配当銘柄に分散投資しているため、個別企業やセクターに対するリスクが抑えられており、安定したインカムを得ることが可能です。市場全体のリスクに対しても広い範囲に分散されているため、ポートフォリオ全体の安定性を重視する投資家には向いています。
SCHDとVYMの組み合わせ
もし、どちらか一方に決めきれない場合、両方のETFを組み合わせて投資することも一つの手段です。例えば、資産の一部をSCHDに、もう一部をVYMに投資することで、双方のメリットを享受することができます。こうすることで、配当成長を重視しながらも、幅広い分散を確保し、ポートフォリオ全体の安定性を高めることが可能です。
具体的なポートフォリオの組み方としては、例えば60%をSCHD、40%をVYMのように配分することで、成長と安定のバランスを図ることができます。また、逆によりリスクを分散したい場合は、60%をVYM、40%をSCHDとすることも考えられます。
最後に
SCHDとVYMはどちらも非常に優れた選択肢で、どちらを選ぶかは、配当成長と安定性、リスク許容度、そして投資目的によって異なります。成長を求めつつリスクを抑えたいならSCHDが、幅広い分散と安定した配当を求めるならVYMが適していると言えるでしょう。
最終的には、投資スタイルやライフプランに合った選択をすることが重要です。どちらのETFも、長期的な視点で見れば優れたパフォーマンスを提供することが期待できるので、慎重に検討しながら、自分に最も適した投資戦略を築いていきましょう。
ではまたっ
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