妊婦の同意なく堕胎で医師逮捕

法律全般

こんにちは、だいち(@daichiblog)です。

医師が、妊娠中の知人女性に無断で胎児を堕胎させたというニュースがありました。

岡山県警は、不同意堕胎致傷容疑で医師を逮捕したとのことです。

あまり聞き慣れないこの犯罪について解説していきます。

不同意堕胎罪とは

「堕胎」とは、自然の分娩期に先立って人為的に胎児を母体から分離することをいいます。

同意を得ないでなされた堕胎については、不同意堕胎罪(刑法第215条)となります。

堕胎の際、妊婦さんを死亡させるか傷害を負わせた場合は、不同意堕胎致死罪又は不同意堕胎致傷罪となります。

今回の事例では、どのような点が致傷と評価されているのかははっきりとは分かっていませんが、堕胎の際に女性が何らかの怪我を負ってしまったのかもしれません。
第215条(不同意堕胎)
1 女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、6月以上7年以下の懲役に処する。
第216条(不同意堕胎致死傷)
前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

どれくらいの罪になるの?

不同意堕胎致死傷罪については、傷害罪(第204条)と比較して重い罪とするとされています。

そのため、それぞれ以下のようになります。

不同意堕胎致傷罪は、6月以上15年以下の懲役
不同意堕胎致死罪は、3年以上20年以下の懲役
第204条(傷害)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第205条(傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。
第12条(懲役)
1 懲役は、無期及び有期とし、有期懲役は、1月以上20年以下とする。

 

殺人罪にはならないの?

殺人罪とは

殺人罪が成立するためには、「人」を殺したといえなければなりません。
第199条(殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

胎児が「人」にあたるのかどうか、「人の始期」が問題となります。

殺人罪は成立しない

判例(大審院対象8年12月13日判決)は、刑法上の「人」について一部露出説をとっています。

つまり、胎児の体の一部が母体から体外へ出た段階で、殺人罪の客体である「人」となります。

そのため、妊娠2ヶ月の胎児を堕胎させたとしても、殺人罪にはなりません。

まとめ

不同意堕胎罪で逮捕されるのは極めて稀です。

どのような事実があったにせよ、犯罪を行なってはいけません。

自分だけでなく、すべての人を不幸にする行為です。

 

ではまた。

 

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